インバウンド・マーケティングの特効薬!ペイドメディアとマーケティングオートメーション
優れたコンテンツがインバウンド・マーケティングにおける矢であるとするなら、ペイドメディア及びマーケティングオートメーションは弓になるでしょう。
これらは軌道を定め、緊張からダイナミズムを生むツールとして、ターゲットとなる顧客にコンテンツを届けるのに欠かせません。
ペイドメディア
前回触れたとおり、ペイドメディアはインバウンド・マーケティングの効果を増強するのに有用です。
オーガニック検索に対する施策が思ったような成果を挙げないというような場合、施策を見直すことも大事ですが、ペイドメディアによるテコ入れにより本来期待されていた機能を発揮するかもしれません。
主な種類は以下の通りです。
コンテンツシンジケーション
コンテンツシンジケーションとは、RSS等を用いて自社運営ではない他サイトに更新情報などを掲載してもらい、協力体制を築く手法です。
ベンダーを使用することで、ユーザーの好みの傾向を分析した結果に基づき、適切な連携をとることができます。
最良の結果を受け取るためには、ベンダーに提出する自社ブランドの分析レポートを慎重に作成する必要があるでしょう。
メール配信
業界ごとに顧客データベースを備え、メール配信を代行する業者を利用する手法です。
顧客の興味と関連性の高いコンテンツをメール配信することで、リード獲得を見込めます。
ネイティブ広告とリターゲティング
ネイティブ広告とは、広告らしさを感じさせない、コンテンツとシームレスに統合された広告です。
コンテンツが提供する体験を損なわずにプロモーションを認知させるメリットがあります。
リターゲティングとは、サイトを離脱したユーザーを追跡し、都度、広告を表示する手法です。
ユーザーの興味・関心を持続させ、刹那的なアクセスもコンバージョンへと取り込みます。
検索エンジンの広告枠/PPC
マーケティング担当者は特定のキーワードをターゲットに、検索エンジンに表示される広告枠にプロモーションを打ち出します。
広告は通常、PPC(Pay per click)方式で運用され、クリック数に応じて成果を図り、コスト管理を行います。
マーケティングオートメーション
マーケティングオートメーションは、マーケティングに関わるタスクやワークフローの合理化、自動化、データ管理を行うソフトウェアを指します。
インバウンドマーケティングにより収集したデータは、マーケティングオートメーションを通すことで戦略策定のためのヒントになります。
マーケティングオートメーションの主要な機能について、みていきましょう。
パーソナライゼーション
適切にツールを使用することで、企業は現在及び将来の顧客に対してカスタマージャーニーを作成できます。
ベンダーの提供するマーケティング自動化ツールによっては、顧客の行動からそのキャラクターを浮かび上がらせる”パーソナライゼーション”を機能として備えていることもあるでしょう。
具体的機能例は以下の通りです。
適切なメッセージを送信する:
購入意図、行動、地理的位置などの属性に基づいてサイト訪問者を識別する。
広範なプロモーション範囲:
PPC広告やソーシャルネットワーク上でプロモーションを展開し、ユーザーを自社サイトに誘導する。
コンテンツの選別:
顧客の行動から顧客の関心を把握し、関連性の高いコンテンツを提供する。
リードスコアリング
リード(見込み顧客)について、進捗状況や購買意欲を図るいくつかの指標をもとに点数をつけます(スコアリング)。
多くの場合、リードは段階的に購買に向けての意思決定を行うため、それぞれのリードについて案件に結び付くまでの距離感を図るのにリードスコアリングは役立ちます。
スコアを算出する基準は以下のとおりです。
適合性:
顧客のニーズと自社のソリューションは合致しているか。案件の規模は自社の事例と比べてどうか。
BANT方式(予算、権限、必要性、タイムラインの尺度を用いて案件の適性や進捗を図ること)を用いて、顧客が購買フェーズに移行する段階にあるかどうか。
インタレスト:
コンテンツのダウンロード回数やサイトの訪問回数などから、リードの関心度を図る。
上述の適合性と合わせて、リードの購買意欲やブランドとの距離感を判断する。
リード育成
リードと出会えたとしても、案件に進めるまでの用意が先方で整っていない場合もあるでしょう。
実際に成約にまで至るには、リードの購買意欲を段階的に育てる必要があります。
インバウンドマーケティングのレベルを引き上げる、リード育成のポイントは以下の通りです。
信頼を得る
良い関係性の基盤は、良い信頼関係にあるといえるでしょう。例えば、メールでコミュニケーションを取る際には、オプトイン(事前承諾)を怠らないことが重要です。
興味の的を外さない
メッセージを送信する際に、リードの興味ごとに内容を変えましょう。
興味と内容の関連性を高めるには、業態や社風、ペルソナなどを考慮し、セグメンテーションについても複数のパターンを検証する必要があります。
マルチチャネル
チャネルには複数の選択肢があります。
Webサイトのレスポンシブデザイン、モバイルデバイスを考慮したメールコンテンツなど、チャネルのアクセシビリティを端末とコンテンツの両面で高めましょう。
インバウンド・マーケティングを展開し、感じた手ごたえが、確かに収益につながっているかどうか。
可能性を秘めたコンテンツを埋もれさせずに、ビジネスとして機能させるために、ペイドメディア、マーケティング・オートメーションを活用しましょう。