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営業デジタルシフト(営業DX)における【6つの壁】とその乗り越え方

※本記事は、こちらのnote記事を転載したものです。

こんにちは、水嶋玲以仁(みずしま れいに)と申します。

私はグローバルインサイト合同会社にて、BtoB企業の営業やインサイドセールス、マーケティングのコンサルティングや支援を行っています。それ以前はMicrosoftやGoogle,Dellで約16年間インサイドセールスのマネジメントを行っていました。

先日、それらの経験を元に、「実践・営業デジタルシフト」という書籍も執筆・出版しています。

私のnoteでは、書籍の内容も抜粋しつつ、「営業のデジタル化」の必要性を感じながらもその進め方に悩んでいる営業マネージャーや経営者、営業担当の方々に役立つノウハウを発信していきます。

本日は第一弾として、営業のデジタル化を進める上でよくぶつかる「6つの壁」とその乗り越え方を解説します。

 

そもそも営業デジタルシフトとは

簡単に、私の考える「営業デジタルシフト」の定義について触れておきます。

私の言う「営業デジタルシフト」は、単にデジタルツールを使って営業を効率化させよう、というだけの話ではありません

色々な定義が考えられますが、ここでは「営業デジタルシフト」を、「営業のデジタライゼーションやDXを行うための営業の在り方や仕組みを定義して、体制構築および事業戦略・計画を立案・実施する取組み」と定義します。

「デジタライゼーション」は「業務プロセス全体をデジタル化し新たな価値やビジネスを創出すること」、「DX」は「デジタライゼーションの発展系で、事業の課題解決や、ステークホルダーの働き方を豊かにする変革をもたらすこと」と捉えていただけると良いかと思います。

やや小難しい言い方にはなってしまいましたが、私の言う「営業デジタルシフト」が「事業戦略や体制構築」までをも含む概念であるとだけ理解いただければ幸いです。

営業デジタルシフトの取り組みは簡単ではありませんが、生産性を高め、より長期的な事業成長に繋がる投資になるはずです。

※より詳しい解説はまた別noteでさせていただく予定です。早く詳しく知りたい方は是非拙著「実践・営業デジタルシフト」もご覧ください。(宣伝)

 

営業デジタルシフトの阻害要因

営業デジタルシフトは導入がゴールではありません。新たな取り組みを営業活動に浸透させ、狙い通りの成果を得られるように継続的な改善を要します。

しかし、それが難しいのです。実際のところ、営業に限らず組織のDXに成功した国内企業は14%に留まる(※1)と言われており、それが現実のようです。

このnoteでは、営業デジタルシフトに取り組む企業でよく聞かれる課題を6つの観点から取り上げ、その解決のためのポイントを解説します。

 

6つの壁とは?

その6つの課題(壁)がこちらです。

①組織間の連携の壁
②人材マネジメントの壁
③プロセス構築の壁
④評価指標の壁
⑤目標設定の壁
⑥カルチャーの壁

それぞれの詳細と解決策を解説していきます。

(注)解決策とは言っても、「これさえやっておけば、問題がすべて解決する魔法の杖」のようなものではありません。(そのようなものがあれば良いのですが!)結局それぞれの組織の課題に合わせて思考&試行をしていただくことは必要になりますが、そのきっかけとして捉えていただければ幸いです。

①組織間の連携の壁

営業デジタルシフトにおいては、「マーケティング」「インサイドセールス」「フィールドセールス」などの部門を跨いだ連携が必須です。

しかし皆さんも心当たりがあるように、この連携には課題がつきものです。

例えばマーケティング施策(イベントやWeb問い合わせ)により獲得したリードをインサイドセールスが引き受けるとき。インサイドセールスからマーケティングに対して「リードの質が悪い」とか「数が少ない」とか不満を持つ一方で、マーケティング側は「インサイドセールスがリードを適切にフォローしてくれない!」などと思っている…といったことはよく見られる光景です。

他にも、「インサイドセールスがフィールドセールスのアシスタントと化してしまい、インサイドセールス単独の成果が見えなくなり、力関係のバランスが悪くなる」などもよくある状況です。

■どう解決する?→組織間連携の不満を解消しよう

人間同士の問題の複雑さもはらむため、一発で問題を解決するのは難しい面もありますが、一つずつ不満の原因になっているものを地道に潰していくことが有効です。

・まずはリードに対する認識の行き違いをなくす
まずはリードを受け渡す側と受け取る側の評価の目線を揃えましょう。

リードの評価項目(業界や役職、BANT項目の有無、リードの経路やセミナーのアンケート回答内容etc…)をマーケティング・インサイドセールスが一緒になって定めることで、リードの質に対する認識のずれ、それによる不満の発生は少なくなるはずです。

評価項目の中でも、BANTは、渡す側と受け手側でずれが生じます。その理由の一つは顧客から聞いた時のタイミングや聞き方で、顧客の答えがぶれること。もう一つは、顧客の答えが曖昧で、聞く側の解釈でずれることです。

まずは、こういったずれが生じる可能性があることをお互いに認識して、顧客との会話の流れなど記録して、話し合うことでずれをお互いのせいにしないようになります。

ただしそもそも組織間のコミュニケーションが不十分だと基準が形骸化する可能性もあるため、注意しましょう。結局のところ、適宜必要なコミュニケーションが取れる場(インサイドセールスとマーケティングの定例会議等)は設けておくのが望ましいでしょう。

・フィールドセールスの認識の変革を図る
「インサイドセールスがフィールドセールスのアシスタント化」してしまう課題は、「営業はクロージングする立場の人間が強い」という認識によって生じます。(日本企業はどうやらその傾向が強いようです。)

その認識を変革するためには、まずインサイドセールスの貢献を見える化することが大事でしょう。インサイドセールスの対応があったからこそ成約した事例などがあれば、積極的に紹介するなどが有効です。

わたしが所属していたマイクロソフトでは、インサイドセールスのマネージャーとフィールドセールスのマネージャーで、お互いの協力のベストプラクティスやパフォーマーを4半期ごとに選んで表彰しました。元々、欧米人と比べると協調性が高いこともありますから、こういった工夫で劇的に文化は変わっていきます。

②人材マネジメントの壁

営業デジタルシフトを進める上では、新たにインサイドセールス組織を新設する等により、今まで存在しなかった職種をマネジメントする人材が必要になるケースがあります。

また従来の営業マネジメントは業務の属人性が高く、個人のアプローチが中心になりがちでした。しかし営業デジタルシフトではチームの連携を重視します。新たな営業プロセスに即した形のマネジメント変化が必要になるのです。

■どう解決する?→実務経験よりも資質を重視。トレーニングも充実させよう。

・必ずしも実務経験は必須ではない
まずインサイドセールス人材のマネジメント人材について言えば、インサイドセールスの実務経験は必須の要件ではありません。実務の知識スキルよりも、マネージャーとしての資質を持ち合わせていることの方が重要です。

インサイドセールスは他部門との連携、またチームとしての連携が重要であり、またリードの状況は刻刻と変化するため、課題が常に生じる状況にあります。それを踏まえると、部署の成果を挙げながらも、メンバーに向け仕事の価値や意義を伝え、難局を迎えても組織への貢献をあきらめない姿勢を持つ人が、インサイドセールスのマネージャーにふさわしいと言えるでしょう。

・新たな業務や組織を定着させる力を重視
また各部署のマネージャーに共通して問われる資質が、「新たな業務や組織を定着させる」力です。

既存の枠組みで営業活動を行えていた人たちにとって、デジタルシフトに伴う改革は受け入れがたい側面があるのも事実で、反発がおきることもあります。

したがってマネージャーには、営業デジタルシフトに伴い適切な業務プロセスを設計できる緻密さに加え、社内の逆風に屈することなく粘り強く交渉し組織に変革を起こす力強さが求められます。

そんな人材が見つかれば苦労しない!」という声も聞こえてきそうですが、実務経験にこだわらず、必要な資質を定義することによって、マネージャー探しおよびマネジメント課題の解決を一歩進めることは出来るでしょう。

・トレーニングも充実させよう
インサイドセールスで用いるコミュニケーションは比較的習得しやすいので、効果的なトレーニングプログラムを実践しさえすれば、未経験者でも十分に成長を期待できます。それはインサイドセールスのメリットの一つと言えるでしょう。

適切なトレーニングプログラムが組めれば、後々の人材マネジメントは楽になり、成果も上がりやすくなっていくはずです。

※トレーニングプログラムの具体的な内容は、いずれ別のnoteでご紹介する予定です。

 

③プロセス構築の壁

営業デジタルシフトでは、マーケティング、インサイドセールス、フィールドセールスと複数の部署が相互に関係を持つようになります。

しかし、部署をまたぐ形で、質の高いリードを安定的に引き渡すとなると、そのプロセス構築が意外と難しいことに気づきます。

受け渡しのルールが存在していても、形骸化して個人の判断に左右されてしまったり、逆に厳格化しすぎるとどの部署も対応しないリードが発生し、機会損失になってしまうこともあります。

■どう解決する?→ナーチャリングプロセスに目を向け、リードの状態を可視化出来るようにしておこう

まず引き渡し以前に、ナーチャリングプロセスに目を向けましょう。

部門間で受け渡し可能なリードの条件が明確になっている場合でも、そこに至るナーチャリングのプロセスは属人化している場合が多いと思われます。これではメンバーレベルでの課題も見えにくく、改善策や必要なトレーニングを講じるのも難しくなります。リードに対する評価も人によりバラつきが生じ、質を担保出来なくなってしまいます。

判断のバラつきを解消するには、業務で生じるアクションや、リードから入手する情報を一度最少単位まで分解し、適切な粒度で評価項目として定義化する方法が挙げられます。

例えば、BANT(Budget<予算>、Authority<決済権>、Needs<ニーズ>、Timeframe<購入時期>)に基づきリードの購入意欲を探る場合を考えます。Budget(予算)であれば、購入に充てる予算だけでなく、企業や事業部、チーム全体に欠ける予算や、予算に対する商材価格の比率、前年度の予算と実際の収支、予算や決算のスケジュールなどの細かい情報までわかると、購入の可能性やその時期を予測する手掛かりとなる場合があります。

このように細かなリード情報を評価項目に設定してみると、リードの状態を段階的に評価できるようになり、次の部署に受け渡すリードの質を確保できる可能性が高まります。マネージャーはメンバー毎に担当するリードの状況をウォッチし、適切なアプローチを行えているかを継続的に評価できるようになります。

ただしリード情報の細分化にこだわり、評価項目が膨大になってしまうと、かえって管理が煩雑になる可能性があるため、適切な粒度を見極めることがポイントになります。

④評価指標の壁

マーケティングやインサイドセールスの評価指標は、リード数やパイプライン数など、量的な視点から設定する場合が多いでしょう。

しかし量の視点に重きを置き過ぎると、数を増やすことに注力するようになり、同じリードに何度も電話をかけたり、無理に商談を設定したりと強引な行動につながる可能性があります。

このようなやり方で獲得したリードや商談は質が悪くなりがちで、最終的な成果(売上や利益)につながらないばかりか、周りの部署からの信頼度低下にもつながってしまいます。

何より、雑なアプローチを受けた顧客の心象を考えると、マイナスイメージのある会社からは、どんな優れた商材でも買う気にならなくなってしまいます。特にBtoB商材は顧客の絶対数に限りがあるため、それぞれの顧客に丁寧に対応することが求められます。

このように、顧客への対応や商談の質、最終成果への貢献度までを鑑みた評価指標の設定が必要になるわけですが、ここに難しさを感じている企業も多いでしょう。

■どう解決する?→アジャイル型組織のもとで、適切なKPIを模索しよう
この課題の解決のキーワードになるのが「アジャイル」です。”俊敏な”という意味を持つアジャイルとは、「方向性を明確にしながらも、一度で完成させようとせず、短いスパンで計画と実行を繰り返し、徐々にスパイラルアップを図る」方法です。

指標設計においても、「アジャイル」がキーポイントになります。すなわち部門横断での戦略は明確にしつつも、絶対的な指標を一つ決めて固定するのではなく、短期間でPDCAを回しながら、短いサイクルでKPIを見直せるような体制づくりをすることがポイントとなります。

営業デジタルシフトにおける評価指標は絶対的な正解はなく、商材や事業フェーズによっても変わります。例えばまだリードや商談が十分にない状態ではまずアポイント数をインサイドセールスのKPIとし、ある程度リードや商談の数を担保できるようになったら、パイプライン数や、より商談の質に重きを置くKPIに変更することが望まれるケース等が考えられます。

なるべく小回りの利くアジャイルな組織作りをした上で、最適な評価指標を模索し続けることが営業デジタルシフトで求められる姿勢になります。

量と質のバランスをとるためのKPI設定例の具体例
アジャイルで回すにしても、バランスをどうとればいいのかという声が聞こえそうなので、具体例を提示します。

BtoB商材のSaaS型で顧客の人事労務管理システムを例にとりましょう。自社の製品も認知度はあり、シェアを取っていますが、競合も多いので、早くシェアを伸ばしていきたいといった事業だとします。こういった段階ですと、マーケティング活動も活発に行い新規リードを取り、インサイドセールス、フィールドセールスの連携を効率的に回すことが求められます。

マーケティングのKPI例:
・量のKPI 新規リード数、人事部門の管理職の数
・質のKPI 総新規リード数で人事部門のリード数の割合、人事部門の管理職の割合、インサイドセールスへの引継ぎ割合(コンバージョン率)、人事部門のリード獲得単価、売り上げ貢献リード金額、リード獲得単価、売り上げ貢献リード単価、 
インサイドセールスのKPI例:
・量のKPI リードフォロー数、Call数、フィールドセールスへ渡したリード数
・質のKPI リードをフィールドセールスに渡した割合(コンバージョン率)、リード滞留日数、売り上げ貢献リード金額
フィールドセールスのKPI例
・量のKPI パイプライン数、顧客フォロー数、上位承認者開拓数
・質のKPI リードを成約した割合(コンバージョン率)、パイプライン滞留日数、売り上げ金額

 

⑤目標設定の壁

従来の営業手法では、部署ごとの利害に基づいてバラバラの目標設定をしている企業も珍しくなく、これまでは深刻な問題にならない場合も多かったようです。

しかし、営業デジタルシフトによって各部署が営業プロセス上の一連の業務を共同で担うことになると、そのバラバラさゆえに連携がうまくとれないなど、目標設定の不統一が課題として顕在化しやすくなります。

それぞれの課題は相互に影響し合うため、部分的に改善しようとしても結局他のボトルネックが生まれてしまい、全体的な課題解決に至らない可能性も高くなります。

全体最適を意識して、異なる部門が連携した上での目標設定を考えることが必須と言えます。

■どう解決する?→共通のゴールを持ち、連携を意識した目標設定を心掛けよう

この解決のためには、営業利益を上げて事業貢献することを部署共通の目標と考えて、フィールドセールスだけでなくインサイドセールスやマーケティングも売上を最終的なゴールとして意識することがまず望まれます。

加えて、他部署との連携を意識した上で、部署ごとの活動に沿った目標を並置しても良いでしょう。例えば、インサイドセールスやマーケティングは下流工程に渡すリードの量や質、フィールドセールスはリードのフォロー状況を目標に含めることもできます。

その後、部署間での連携が成熟してきたら、各部署が持つ一連の目標に占める売上目標の比率を増やし、どの部署も事業貢献を重視した目標設定にしていくことが望ましいです。

ただし、これらは部署レベルでの話で、個人目標はより各部署の活動に比重を置いて設定した方が良いでしょう。

※これらの目標設定のプロセスは、まだまだ語るべき事柄が多くあるため、別途noteでまとめようと考えています。

 

⑥カルチャーの壁

この6つ目が、最も大きな壁と言えるかもしれません。営業デジタルシフトの推進に最も影響を与えるのが、組織カルチャーです。

たとえば、新たな営業プロセスやデータ管理ツールを導入しても部署内に浸透せず、使う人や実行する人が限られてしまう、もしくは最初は目新しさに飛びつき熱心に取り組むが、すぐに効果が出ないと徐々にうやむやになってしまう、等の事象が多く見られます。

これらの背景には、前例踏襲を良しとする保守的な姿勢や、成果を急ぎ中長期的視点が後回しにされがちな風土が関係しています。

これまで営業活動に従事してきた人たちの一部は、営業デジタルシフトによって新設されるインサイドセールスの意義や、業務プロセス刷新の必要性に対し、懐疑的なまなざしを向けることもあるでしょう。そういった人々を巻き込んでいくための努力や工夫が必要となります。

■どう解決する?→「仕組みづくり」と「意識改革」の両方に取り組もう

まず大きな枠組みとして、新しい業務プロセスやツール活用のルールを、関連する部署間で合意した形で制定し、それらを業績評価にも適切に組み込むことを目指しましょう。アジャイル的に新ルールや評価の試験的な導入・検証を行い、その取り組みを全体展開の足掛かりとするのが良いでしょう。これまで述べてきた①~⑤の壁とその解決策が、その参考となるはずです。

ただし仕組み化だけでは不十分で、営業デジタルシフトの実現には、現場の社員の意識改革と主体性の発揮が欠かせないことを強調しておきます。

地道な取り組みにはなりますが、推進に関わるマネジャーなどが中心に、粘り強く取り組みの意義を伝え、少しずつ意識改革を図っていくことが必要です。

そして主体性の発揮は、商材が市場や個別の顧客に提供する価値や、自社がこの事業に取り組む理由、会社が社会に存在する意義と、自身の業務が顧客や社会に及ぼす影響のそれぞれが、一本の軸で貫かれたときに初めて成し得るものです。

特に自分の仕事の意義が明確になることで、どうすれば組織に貢献できるのか想像力をめぐらせ、自発的に行動する姿勢も生じるはずです。必要に応じて、自身にとっての仕事の意義を根本から考える時間や機会を設けることも有効でしょう。

変革の意義を社員それぞれが理解して、新たな業務プロセスの実践を可能にする仕組みが整備されていること。これらは営業デジタルシフトをカルチャーとして定着させるために不可欠と言えるでしょう。

 

すべての壁に対する共通の課題解決のカギ:「アジャイル」の発想

■小さく初めて改善と拡大を繰り返そう
これまで6つの壁について述べてきましたが、それぞれに共通して解決の課題となるのが、④でもお話した「アジャイル」の発想です。

営業デジタルシフトは部門横断的で大規模な取り組みとなります。初めから完璧を目指そうとすると、設計や決済に時間がかかったり、関係者を説得させるのに手がかかったり、あるいは軋轢が生じたり…と、推進に相当なエネルギーが必要になります。そうなると変革は進まず、途中で頓挫しがちになります。

そこで、はじめは小さな規模で取り組み、短いタームで振り返りと改善・拡大を繰り返しながら徐々に完成に近づける、「アジャイル」なやり方を採用することをおすすめします。

マーケティング・インサイドセールス・フィールドセールスの合意のもと、営業プロセス構築の方針に一貫性を持たせつつ、具体的な運用は小さな組織でクイックに試していく。この方法が、営業デジタルシフトを推進する上で、最も有効な筋道ではないかと考えます。

 

まとめ

これまでの内容を簡単にまとめるとこうなります。

①組織間の連携の壁 → 組織間連携の不満を解消しよう
②人材マネジメントの壁 → 実務経験よりも資質を重視。トレーニングも充実させよう。
③プロセス構築の壁 → ナーチャリングプロセスに目を向け、リードの状態を可視化出来るようにしておこう
④評価指標の壁 → アジャイル型組織のもとで、適切なKPIを模索しよう
⑤目標設定の壁 → 共通のゴールを持ち、連携を意識した目標設定を心掛けよう
⑥カルチャーの壁 →「仕組みづくり」と「意識改革」の両方に取り組もう
共通して:「アジャイル」な組織作りを心がけよう

この記事では、私の経験の中から、多くの企業が陥りがちな共通の課題と、共通してお役立ていただけそうな解決の糸口を述べてきました。一方で、課題と解決策は組織の数だけ存在するので、本記事で述べている内容はほんの入り口の内容であることを正直に申し上げておきます。

一方で、これらの内容をきっかけに、自社組織の課題に目を向け、解決の糸口をつかんでいただれば、とても幸いです。

引き続きこれからも営業デジタルシフトに関する情報を継続して発信していきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 

【最後に宣伝】

・改めまして、拙著「実践・営業デジタルシフト」では本記事で述べたような営業デジタルシフトに関する理論から実践までのノウハウを詳しく解説しております。ご興味ある方は是非!
・また、弊社グローバルインサイト社のサイトでも同じテーマのノウハウを発信しております。こちらも是非チェックいただけると幸いです。
https://globalinsight-japan.com/method/

Twitterでも営業・インサイドセールスに関する情報を発信しております。

 

 

 

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