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事例紹介

ソフトバンク株式会社様での営業DX Boot Campの事例

目標とのギャップが明確に。部門間コミュニケーションも取れて、一枚岩になれた


本記事のサマリー

  • 事前の課題】組織拡大に際し、SMBを対象としたインサイドセールスでどこまで売り上げを大きくできるか、ゼロベースで議論したいと考えていた
  • 導入の決め手】自分たちのペースで適切なタイミングでアドバイスをもらえ、データについてもGIJの指示のもと必要なものを出せばよかったので、ニーズにフィットしていると感じた
  • 導入の効果】ターゲットとする業界やアプローチ方法などを主要メンバー間で合意することができ、一枚岩になれた / 目標とのギャップが明確になった / メンバーが高い目標を見据えて動くようになった

 

本記事では、「営業DX Boot Camp」(以下、Boot Camp)を実際に試していただいた企業の体験談をお送りします。お話してくださったのは、ソフトバンク株式会社の法人事業統括ビジネスソリューション本部インサイドセールス第2統括部の杉本薫重様、安永祐磨様です。Boot Campのトライアルに至った理由や、取り組みの内容、得られた成果に加えて、Boot Campを勧めたい企業まで幅広く語っていただきました。さっそくインタビューを見ていきましょう。

カスタマープロフィール

杉本 薫重 様 
ビジネスソリューション本部 インサイドセールス第2統括部 統括部長

安永 祐磨 様 
ビジネスソリューション本部 インサイドセールス第2統括部 担当課長

―最初に、簡単に事業の紹介をお願いできますでしょうか。

杉本様:私たちはソフトバンクの法人事業統括ビジネスソリューション本部インサイドセールス第2統括部に所属しています。その中でも年商100億円以下のSMBと呼ばれる企業を対象として、少数の人員で対応しています。そのため、基本的には非対面で自己完結するやり方で営業活動を行っています。

―続けて、お二人のお仕事内容や役割についても教えてください。

杉本様:私は100人超のメンバーが所属するこの第2統括部の統括部長を務めています。この部ではモバイル、音声、データ、クラウドなどソフトバンクで扱っているすべての商材について対応しています。手法としてはインサイドセールスを採用しており、電話、メール、Zoomなどを駆使してお客様とコミュニケーションを取りながら、クロージングまで持って行くかたちを取っています。

安永様:私は杉本チームの配下でセールスイネーブルメントの領域を担当しています。現在は主にチーム全体の仕組みづくりを進めていて、どこに課題があって、何を改善すれば良くなっていくのか体系立てた検討を行っています。加えて、教育も担当しています。今回のBoot Campのトライアルは我々のインサイドセールスのやり方を見直すよい機会だと考えました。

―セールスイネーブルメントというとトレーニングを担当するというイメージが強いですが、部門内の仕組みづくりまで担当されているのですか?

安永様:そうです。担当領域が広く、教育もその一つという位置づけです。さらに、Boot Campのように全体設計や全体戦略の検討や、部署ごとの実績の見える化やトレースも行っています。

―なるほど。他社だと営業企画と該当するような領域も担当されているのですね。

安永様:そのとおりです。

―それでは、今回GIJにご相談いただくきっかけとなった課題について教えてください。

杉本様:第2統括部では2023年1月にSMB向けの組織の拡大があって、部長クラスを含めて新たなメンバーを迎えることになりました。そこで、新たな部長たちとともに、SMBを対象としたインサイドセールスによってどこまで売上を大きくできるのか、ゼロベースで議論するための共通のワークに取り組みたいと考えていたのです。そんな時にBoot Campと出会って、将来に向けた方向性を社内ですり合わせるきっかけとして活用できると思い、ご相談しました。

―トライアルに至った決め手はどこだったでしょうか?

杉本様:コンサルも検討したのですが、費用が高額で、社内承認も大変だと考えました。また、スタートした時期が年度末だったこともあって、コンサルから求められる様々なデータを用意するのも負担が重いと感じました。

そのため、もう少しライトなかたちで、ノウハウを持つ専門家から自分たちの考える方向性を評価してもらえないかと考えた時に、Boot Campであれば自分たちのペースで適切なタイミングでアドバイスをもらえて、データについてもGIJの指示のもと自分たちが必要なものを出せばよかったので、ニーズにフィットしていると思い、トライアルを決めました。

―ありがとうございます。続いて、Boot Campでの取り組みについて、は具体的にはどのようなことを行いましたか?

安永様:前提として我々はすでに数年間インサイドセールスを実施していたので、まずは今のやり方や仕組みがどうなっているのか、〈営業DX診断ステップ〉(Boot Campで、最初に行うステップ)を用いて整理しました。そのうえで、Boot Campのフレームワークに沿ってステップ1~10までのワークを実施しました。

具体的には、目標定義、KPI設定、顧客分析、組織モデルの検討、訴求するソリューションやその時のストーリーなどを部長陣と検討しました。

進め方として、GIJとの定例会は隔週で行いました。毎回の定例会でおおよそ3ステップ分を進めて、必要なファイルを提出するということを繰り返していきました。さらに、それとは別に社内での認識合わせのための週次の定例会議を設けて議論していきました。

―取り組みを進める中で特に大変だったことはありますか?

安永様:杉本チームでは取り扱うソリューションや担当する役割ごとに部署が分かれていて、使用するツールや仕組みは共通でも、最終的に目指すところに若干のズレがあったため、それぞれ適切なKPI設定をすることが大変でした。

たとえば携帯電話の追加であればやるべきことがシンプルで活動量も稼ぎやすいですが、複雑な商材になるとリードタイムが長くなり、一概に同じ指標では測れないことがありました。

また、取り組みを進めるうちに、ペルソナ設定やカスタマージャーニーの検討などマーケティング領域の課題が出てきたのですが、マーケティングと我々インサイドセールスの営業では組織が異なることから、その部分は自分たちだけでは完結できず、マーケティングの担当者にヒアリングしながらファイルを作成する必要があり、苦労しました。ただし、改めてマーケティングのやり方を知るきっかけにもなったので、貴重な経験ができたと思います。

―そうしたBoot Campの取り組みで、組織やメンバー、事業にどのような変化・成果が生まれましたか?

杉本様:最終報告はまだ完了していませんが、ターゲットとする業界やアプローチ方法などを主要メンバー間で合意することができました。Boot Campによって部長間のコミュニケーションが取れて、一枚岩になれたと感じています。

また、今回はチームの部長陣が集まって議論していたため、セールスイネーブルメントなどのBoot Campでは扱わなかった領域でも、直接部長陣の合意を取って新たなアクションを起こす動きが出ています。こうした動きをみていると、進捗管理も含めて、Boot Campで決めた内容は着実に実行できそうだという手ごたえを得ています

―当初期待していたことは達成できましたか?

杉本様:Boot Campに参加したメンバーはバックグラウンドが全く異なっていて、インサイドセールスは初めてだという人から、これまで独自のやり方でインサイドセールスの仕組みを作ってきたという人まで様々でした。

しかし、喧々諤々の議論を通じて、個々の考え方のブレがなくなり、一つの方向を目指す雰囲気が出てきたと思います。取り組み前には、考え方がバラバラな中で将来に向けてどう進めていけばよいか悩んでいましたが、その点はかなり解消できたと感じています。

―その中でも、Boot Campの一番の成果は何だと思いますか?

杉本様:目標とのギャップが明確になったことですね。もともと考えていたコンサバな目標ですら、達成するためには今まで以上にアクションが必要だということが見えてきました。そのうえで、コンサバな目標に走りがちだったメンバーが、上から要求されている高めの目標を見据えて、そこに向かって動きを取るようになったことが一番の成果だと思います。

―それは大きいですね。営業は下りてきた目標に抵抗しがちですが、前向きに捉えて具体的な施策を検討するというように、マインドセットが変わったということでしょうか?

杉本様:そうですね。今のアクションでは足りないということが具体化されて、コンサバな目標に対しても、現状ではダメだと認識できたことは大きかったです。同時に、さらに上の目標を目指すには、もっと大きく変わっていかなければならないということも認識できました。

―他にも取り組んで良かったことはありますか?

安永様:先ほどお話したとおり、我々にはすでにインサイドセールスの経験があったため、良くも悪くも固定観念を持っていました。そのためBoot CampでGIJという第三者からの客観的な目線でアドバイスをもらえたことは貴重な経験でした。自社の目線では気づけないことを指摘してもらえたと思います。また、これまで部長陣で集まって細かいKPIやアプローチする顧客、ソリューションなどを具体的に議論する場はそこまで多くなかったので、定例化して建設的に議論する機会が持てたことも大きかったです。

杉本様:当初は、インサイドセールスはそれなりに出来ているという自負もあり、新たにインサイドセールスに取り組むことになる2人をフォローしようという意識がありました。しかし、これまでより多くの経験を積んできたGIJのメンバーから、もっと高みを目指せるのに今のままでいいのか、ここに専念すれば会社の利益に貢献できるのになぜ注力しないのか、といった厳しい意見で切り込んでもらえて、足りなかった部分をズバズバ指摘してもらえたのは面白かったです。出来ていると思い込んでいた面もあったなと気づかされました。

―実際のところ、杉本様のチームのインサイドセールスの実績は日本の企業の中でも素晴らしいと思います。ただし、貴社の高い目標に追いつくために多少なりお役に立てたようで幸いです。

杉本様:後半特にそうでしたが、怒られるぐらいのほうが自分たちの甘さを感じられました。そのアクションで目標に届くのかを数字でロジカルに考え切れていなかった箇所など、足りないところを踏み込んで指摘してもらえて、「何とかなるだろう」という意識を変えてもらえる経験になりました。時間の問題もあってすべてを検討しつくせたわけではありませんが、アグレッシブな目標に対する進め方は次の課題にすればいいというアドバイスも、為になったと思います。

―Boot Campはどのような企業や組織におすすめできますか?

杉本様:とにかく、何かを変えたいという思いがないと、やりきれないと思います。コンサルにやらされるのでなく、自分たち主導でアドバイスだけもらいたい、自分たちで進めたいけれど専門家がいないため適度にアドバイスをもらいたい、といった企業に向いていますね。タイミングとしては事業計画の見直しを迫られた時や、組織の中で変革を求められた時に、自分たちだけで絵を描こうとすると失敗しかねないので、Boot Campの仕組みの中でチャレンジしていくと良いと思います。

ただし、事業規模が大きすぎると、人員計画など一部門内で決められない要素も多くなってしまうため、フィットしない部分があるかもしれません。中堅、中小で何かを変えたいという気概のある企業だと面白いと思います。

―最後に、コンサルとの違いはどう実感されていますか?

杉本様:距離感がいいと感じました。コンサルも何社か経験しましたが、素晴らしい知見を持つコンサルタントのアドバイスを聞ける一方で、求められるままに対応して、あまり腹落ちしていないために次のステップに進めなかったということもありました。

Boot Campの場合、もちろんガイドラインはありますが、出された宿題を期限に間に合うようにみんなで考えて提出するんだ!といった、「みんなでやっている感覚」を持つことができました。また、困ったことがあった時にはいつでもSlackで聞けばいいという、サポートされている安心感もありました。何かあったら助けてもらえるという環境のもと、自分たちで作り上げていけるというのが良かったです。

安永様:コンサルとの違いとして、Boot Campの場合、主役はあくまで自社だというのを強く感じました。自分たちがどうしたいのかという視点で決めていくものなので、アドバイスありきで進めていくコンサルとは本質的に違うと感じました。自分たちが議論して決めたことに対して客観的なアドバイスをもらえたことで新たに気づかされることも多かったですし、そこでもらえた意見が過去の具体的な事実を基にした改善案だったことから、一般的なコンサルと比べて実践や現場に近いプログラムだったと感じました。

―貴重なお話をお聞かせいただき、本当にありがとうございました。

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