目次
カスタマープロフィール
横関 秀樹 様 代表取締役
大学院卒業後、NTTコミュニケーションズに入社。
官公庁案件のマネジメントを行っていたが、エンジニアに戻りたいという欲求を抑えきれず、1年後に退職。
その後、iOS、Androidアプリ開発を経験。ネイティブアプリからサーバサイド、及びAWSなどのインフラにも携わり、フロントサイド、サーバサイド、インフラ、ネイティブアプリ開発を含めた全領域を守備範囲とするフルスタックエンジニアとして活動。
チャットブーストというサービスのリリースを機に、現在はDMM BoostのCEOとして経営、技術方針策定や、サービス開発に従事。
黒住 広明 様 セールス責任者
2017年、株式会社ハッシャダイに入社。人材企業2社での経験を活かし、DMMBoostの営業の基礎を築いた。現在はインサイドセールス、フィールドセールス、営業企画、Shopify制作などの統括責任者をしている。
まず初めに、簡単に貴社と事業内容を紹介いただけますでしょうか。
横関様:現在はDMMBoostという会社名になっていますが、もともとは株式会社ハッシャダイという会社で、人材派遣や人材紹介の事業を行っていました。それがコロナ禍をきっかけに新規事業を検討することになり、私が提案したのがLINEのAPIを活用したチャットブーストというサービスだったのですが、コロナ禍でECサイト導入の機運が高まっていたこともあり、順調に事業を伸ばすことができました。
当時の代表と相談して、今後の採用面を考えても開発出身者が代表を務めたほうがよいとなり、結果的に2021年12月より私(横関様)が代表を務めることになりました。現在はチャットブーストを主力事業として取り組んでいます。
そのなかで横関様のお仕事はどのような内容でしょうか?
横関様:当初は開発としてサービス展開に関わる業務を行っていましたが、現在は主に経営に携わっています。機能展開の方針や人員計画、会社全体の目標や方針の決定に注力しています。
黒住様のお仕事や役割についても教えてください。
黒住様:我々の会社ではThe model型の営業スタイルを採用しているのですが、そのなかでもセールス領域を担当しています。主に成約数をミッションとしてIS(インサイドセールス)・FS(フィールドセールス)を兼任しています。
営業の専門知見の吸収を目的に、導入を即決
今回、貴社にはGIJの営業DX Boot Campを採用いただきましたが、ご相談いただくきっかけとなった、それ以前から抱えていた課題にはどのようなものがあったのでしょうか?
横関様:まず、DMMグループではほとんどがBtoCの事業を行っており、BtoBのSaaS事業は今回が初めてでした。そのためコンサルティングを入れて現時点での最適化を図ることよりも、継続して改善していくために社内でノウハウをため込む必要があると考えていて、SaaS営業やリモート営業における知見の向上を課題として持っていました。そこで、GIJの営業DX Boot Campをご依頼しました。
どのようなきっかけでGIJにご関心を持たれたのでしょうか?
横関様:インターネットでキーワード検索をしていて、偶然見つけたと記憶しています。サイトを見て、ニーズにマッチしている会社だと感じました。
グローバルインサイト公式サイト:https://globalinsight-japan.com/
まだ実績が少ない中での導入の決め手はどこにあったのでしょうか?
横関様:我々の目的が専門家の知見を吸収することだったのが大きいです。当初は短期的にコンサルティングに入ってもらい、場面ごとの考え方をコーチングしてもらうのが良いのではと考えていました。しかし、新たなサービスである営業DX Boot Campの内容を聞いて理想的だと感じました。もともと答えを教えてもらうよりも、現場が苦しみながらも自分たちで知見を増やしてくれることを望んでいて、内容がマッチしていたため即決しました。
ファクトデータに基づき、協議を積み重ねた
続いて、営業DX Boot Campのプロジェクトのお話に移っていきたいと思います。プロジェクトの具体的な内容、スケジュール、体制について教えていただけますでしょうか?
横関様:GIJから提供されたテンプレートの資料を基に、我々のマーケティング、セールス、CSの部隊と、経営兼開発の私の計6名が参加して、営業戦略における、全部署を跨いだ事業戦略を検討していきました。進め方としては、テンプレートに基づいて議論をしながら、各自で必要な情報を埋めていきました。
最終的なゴールとしては、部署ごとに意思疎通を図って、営業以外の部署とも統一された営業戦略や目標を策定することを目指しました。その過程で検討に必要なファクトデータを調査、収集して、それに基づいて事業領域や顧客獲得の戦略立てなどを具体化していく作業を進めていきました。
GIJとは週1回は会議を行って、Slackでも定期的に質問させてもらいました。
プロジェクトを進める中でどんなことに苦労しましたか?
黒住様:ターゲットとする顧客セグメントを決めるシートや、営業ファネルを検討するシートでは、議論がかなり深いところまで発展したので大変でした。顧客セグメントについて具体的に述べると、これまでは件数を重視して取り組んできましたが、大手アカウントに対しては従来の攻め方とは違う方法が必要なのではないかという仮説があったので、大手というセグメンテーションの内実を深掘りしていったというかたちです。
そういった議論を進めるうえで、GIJとの週次の定例討議以外でも社内ミーティングを重ねられたのでしょうか?
黒住様:週に8~10時間は確保して、議論を重ねて決定していきました。
組織連携が強化され、最善の方法をまとめることができた
営業DX Boot Campによって生まれた成果や変化などはございましたか?
黒住様:一番の成果は、有識者に対して自分たちの考えを壁打ちして、考えられる中で最善の方法をアウトプットとしてまとめることができたことです。
変化としては、2023年1月から新たな組織体での運用を開始したのですが、マーケティング、セールス、CSと様々な部署が議論に参加した結果、共通認識を持った状態でスタートできて、議論を早く進めることができていると思います。
横関様:付け加えると、営業DX Boot Camp以前から、とある事業規模の顧客群を狙っていたのですが、今回のプロジェクトを通して、より1つ下の事業規模の顧客群のほうが狙い目ではないかという知見を得ることができました。
もう少し具体的に言うと、以前はすでにLINEの活用実績のある企業を見ていたのですが、SNSをまだ始めていない企業を積極的に取り込むほうが、競合他社が十分に入り込めていないこともあり、営業戦略として正しいのではないかという発見ができました。
そういった新たな仮説はどこから生まれてきたのでしょうか?
横関様:実際に生のデータを集めていくうちに、もともとSNSを始めていなかった会社でも、我々のサービスを導入してすぐにLINEの友だちを増やして集客できていると分かった、というかたちです。
社内にあったデータを改めて整理して議論した結果、生まれた仮説だということですね。変化として、組織連携が強化されたことを挙げていただきましたが、それはどんな理由から生じたのでしょうか?
横関様:今までも部署ごとの戦略はありましたが、優先順位づけが出来ていない状態でした。今回それが明確になったことで、ここにはビジネスチャンスがあるから負担を掛けるけれどもお願いしたい等、納得感のある稼働負荷の共通認識が持てるようになりました。また、営業から開発やCSに要望を出す時にも、狙うべき顧客セグメントと絡めて説明しやすくなりました。
なるほど。
横関様:逆に開発やCS側からも、これは今回狙っていない対象だから一旦保留にしよう、といった提案もしやすくなりました。分かりやすい客観的な軸ができたのは大きいですね。
黒住様:以前は部署ごとに戦略を立てるのがスタンダードでしたが、ゴールデンサークル理論でいうところの「WHY」の段階から一緒に整理して合意形成を図れたことが、組織間連携に効いているように思います。
戦略の明確化により、トライしやすい環境が実現
また、別の機会に頂いたフィードバックの中で、トライ&エラーが進むようになったと伺いましたが、具体的にはどのような変化があったのでしょうか?
横関様:基本的にトライ&エラーをするには工数が掛かるのですが、営業戦略が明確になって部署全体で共有されたことで、毎回毎回議論をしなくても戦略に則ってトライしようとすぐに決められるようになりました。営業DX Boot Campのおかげで将来収益性がどこにあるのかはっきりしたので、それを前提に物事を進めるようになった結果、トライ&エラーはしやすくなりましたね。
親身なコミットと有識者ならではの知見がGIJの魅力
大手のコンサルティング会社ではなくGIJだったからこそ良かった点はありますでしょうか?
黒住様:スタートしたばかりのサービスだったこともあり、親身になってコミットしてもらえたことは良かったです。
横関様:そもそも大手と比較したわけではなく、中身を見て決めただけではあります。印象的だったのは有識者の方の存在でした。書籍に書かれていることの中には綺麗事が多いですが、現場の裏話を色々と教えてもらえて説得力がありました。理想はこうだが現場ではこんなこともしている、といったことも教えてもらえて、非常によい知見を得られました。
データがある程度溜まっている企業に営業DX Boot Campはおすすめ
営業DX Boot Campは、どんな企業や組織に勧めたいと思いますか?
横関様:ある程度データは貯まっているけれども活用できていない、データを取ろうと思えば取れるけれども営業的なノウハウを持っていないという会社が特に相性がいいと思います。データ集めに2,3か月掛かってしまう企業では時間を無駄にしてしまうかもしれません。エンジニアはいるけれども営業の知見が弱い、エンジニアと協力してデータは取れるという会社であれば、非常に良いと思います。
大企業からスタートアップまで経験されている横関様から見て、企業規模はあまり関係がないでしょうか?
横関様:そこは関係がないと思います。ただし、自分たちにとって良いデータばかりを選択して集めてしまうと歪んだ戦略になってしまうので、営業DX Boot Campでやる時には、馬鹿正直にやるのが一番ですね。これには企業文化も大事だと思います。信用して自分たちにとって恥ずかしいデータでも素直に曝け出せる企業なら上手くいくのではないでしょうか。
黒住様から見てもいかがでしょうか。
黒住様:データが取れるというのは大前提として、事業を立ち上げてそれが軌道に乗ってきたという段階の企業には特におすすめできます。今回のテーマが組織改善だったように、立ち上げのフェーズだとスピード感を大切にしてDOを中心に進めていくことになりますが、そろそろ見直しが必要だというフェーズの企業に合うと思います。
今回は横関様が開発の立場も兼ねて参加されたということですが、開発目線の人が参加することには意義がありましたか?
横関様:我々の商材はSaaSですので、出たほうがよいだろうと考えました。もともとデータを蓄積してはいたので、営業からの要求に応じてすぐに出すことができたのは良かったです。
GIJ水嶋:GIJの視点から補足すると、顧客セグメンテーションに応じた機能や要件まで議論の中でまとめることができていました。当然のことながらSaaSはプロダクトとセールスやマーケティングが密接な関係にあり、次のステップに進むためにはコストと必要性のバランスを取ったプロダクトの議論が必要となりますが、その共通解まで導き出すことができたとのは想定以上の成果だったと思います。
開発も広義のマーケティングと言えると思うので、そこまで貢献できたのは素晴らしいですね。
GIJ水嶋:また、横関様が経営兼開発として参加されていたため、意思決定が早かったのも今回のプロジェクトの特徴だと思います。
最後に、同じような課題を抱えていると思われる本記事の読者に向けたメッセージやアドバイスをお願い致します。
黒住様:社内にデータが溜まったらGIJへ!
横関様:1~3年のスパンで大きく事業転換したり、新たなビジネスにどんどんチャレンジしたりする可能性のある企業の場合だと、コンサルティングに頼ろうとすると毎回依頼しなくてはならなくなると思います。社内ナレッジで素早く進めていくには、色々な知見を吸収できる営業DX Boot Campは非常に良いサービスですので、ぜひご利用ください。