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次世代を担うマーケティング?変革的インバウンド・マーケティングとは

 

ブランド認知度を高めリードを生み出す強力な戦略、インバウンド・マーケティング。
インバウンド・マーケティングの運用に成功すれば、顧客を惹きつける素晴らしいコンテンツを通じて、ブランドに対する人々の関心を高めることができます。

従来型のマーケティングでは、費用を捻出し広告を打ち出すことで知名度を買うモデルが一般的でした。
対して、インバウンド・マーケティングにおいて知名度は、「活動の対価として得るもの」というモデルであり、中長期の成長戦略に貢献します。

また、従来型のアプローチが購買行動とリード(見込み顧客)育成だけに重点を置くのに対し、洗練されたインバウンド・マーケティングでは顧客との継続的なコミュニケーション、ニーズへの深い理解が重要視されます。

 

さて、今日のマーケティング担当者にとって、インバウンド・マーケティングはこれまで以上に必要とされています。なぜでしょう?

 

業務のICT化、デジタルトランスフォーメーション[note]IT、ICT化の進行。ビジネス分野における業務のデジタル化[/note]の浸透とともに、バイヤーはカタログを読んで展示会に行くだけではなく、積極的にオンラインを利用するようになりました。
必要かどうかわからないベンダーと連絡を取るよりも、バイヤー独自の調査で、コンタクトを取るべき業者を絞り込むことに多くの時間を費やしています。

つまり、マーケティング担当者が見込み顧客を見つけるよりも早く、顧客自身が競合他社の製品やサービスを探し当て選んでしまう可能性が高いのです。
よって、インバウンド・マーケティングの施策を打たなければ、潜在的なバイヤーと接触できる機会は減ってしまうといえます。

Marketo[note]マーケティングオートメーションに特化した企業間取引向けセールスソフトウェア企業[/note]の調査によると、購入サイクルの93%はオンライン検索から始まり、クリック数の88%はオーガニック検索[note]検索結果のうち、広告枠を含まないURLのリスト[/note]からのものです。
バイヤーは、いちユーザーとして、検索エンジンの上位に表示されるほど製品やブランドの良さが保証されると考えます。

インバウンドマーケティングが攻めるべきポイントはここにあります。

潜在的顧客に向けて間口を広げ、ブランドが好まれるようなインバウンド戦略をWeb上で展開することが、これからのマーケティング担当者に求められる目標となるでしょう。

 

変革的インバウンド・マーケティング

 

インバウンド・マーケティングもビジネスの潮流に合わせて変化します。
業務のICT化、社内インフラのデジタル化とともにマーケティングに利用するツールは紙媒体、電話に加えてWeb媒体やメールを含むようになりました。
道具が変われば、取るべき戦略も変わります。
デジタル時代に適応したマーケティングは、今までのインバウンド・マーケティングを改善するとともに、組織の在り方を変える、変革的インバウンド・マーケティング(Transformational Inbound Marketing)と呼べるものです。

変革的インバウンド・マーケティングでは、有用なコンテンツを提供することで、顧客に関心を持ってもらうとともに、持続する関係を築きます。
また、顧客の個性を見据えてニーズを的確に満たすという点で、従来のインバウンド・マーケティングより優れた成果を挙げます。

 

変革的インバウンド・マーケティングの特徴

  • 顧客ライフサイクルのモデルを適用し、初期段階から顧客を楽しませ、かつ自社商品への理解を深めてもらう啓蒙的な内容のコンテンツを提供する
  • マーケティング担当者は顧客にアプローチする際、顧客の相談に応え、双方向コミュニケーションをこころがけ、非画一的なソリューションを提供する
  • コンテンツ、ソーシャルネットワーク、SEO、ブログ、ペイドメディアを通じて顧客を獲得する
  • ペイドメディアと従来型インバウンドの戦術を組み合わせて、リーチ(広告の到達率)を拡大し、増加させる

 

最も見るべきポイントは、変革的インバウンドマーケティングでは顧客のライフサイクルに焦点を当てるということでしょう。
これは、従来のインバウンド・マーケティングが交渉の初期段階に焦点を当てるのとは対照的です。
変革的インバウンドは、幅広いコンテンツを作成するのではなく、ひとりひとりの顧客のニーズをより深く理解し、対応することを目指しています。
通常、Webでは商魂たくましい広告は忌避されます。
幸い、バイヤーが積極的に情報を求めているときや、あるいは漫然と有益な情報を求めているとき、マーケティング活動に対するガードは緩められています。
バイヤーとの関係を構築するチャンスとみなしていいでしょう。

このアプローチを正しく行うと、購買行動を阻害する従来のマーケティング手法に比べて劇的に優れた結果が得られます 。

 

なぜ従来のインバウンド・マーケティングでは不十分なのか

 

それでは、従来型のインバウンド・マーケティングは打ち捨てるべきなのでしょうか。
もちろん、そのようなことはありません。
従来の手法のメリットを活用しながら、新手法の生産性を高めていくのが理想的な運用です。

しかし、従来型に足りない部分について、振り返ってみる必要はあるでしょう。

従来の手法における非効率な部分は”網を広げすぎること”にあります。
リストには沢山の見込み客候補が挙がっている。実際にアポイントメントを取ることもあるでしょう。
しかし、接触したバイヤーたちが、実際に購入を検討する段階で、数ある選択肢の中で自社を選んでくれると強く言い切れるでしょうか?
バイヤーの希望に合致したコンテンツを提案できたと断言できますか?
数打てば当たるというのは思い込みに過ぎません。
現実は、バイヤーは希望に沿わない提案を切り捨てるだけなのです。

幅広く潜在的顧客にアプローチするのは、マーケティング戦略においてたしかに重要です。
しかし、ある時点で、アプローチをより強化する必要があります。
購入行動のみにフォーカスするのではなく、ファネルで捉え、バイヤーとの双方向コミュニケーションを結ぶ。
さらに、マーケティングオートメーションを活用し、顧客との関係を醸成し、スコアリングする。
これらの戦略を効果的に組み合わせて実行して、ようやく従来型のメリットを活かした変革的インバウンドマーケティングが可能となるのです。

 

これからのインバウンド・マーケティングに求められる人材モデル

変革的インバウンド・マーケティングを開始するには、十分なスタッフと予算だけでなく、個々の役割が明確なチームを組成する必要があります。
改善のための継続的な努力を図り、成功する―
そのようなチームを作るために、以下の役割が例として考えられます。

 

コンテンツマーケティングマネージャー

コンテンツは、インバウンドマーケティングキャンペーンのすべてに役立つ燃料です。
チームにおいて最低一人は、コンテンツマーケティングに専念することが不可欠です。
この人物は、業界に関する専門知識を持ち、経験豊富なプロジェクトマネージャであることが求められるでしょう。

ソーシャルメディアマネージャー

ソーシャルメディアへの定期的な投稿は、インバウンド戦略の中核となるでしょう。
そのため、このチャネルに専念するチームメンバーを持つことが重要です。
有益かつエンタメ性に優れたコンテンツを配信することが、ここでのミッションです。
他者とのコミュニケーションに情熱を注ぐことを厭わず、ソーシャルメディアが生活の一部として根付いているような人物が求められます。

Webサイト/コンバージョンマネージャー

Webサイトのユーザーエクスペリエンスとコンバージョンを促進する仕組みを管理する人物は欠かせません。
WebサイトのSEO最適化、適切なコンバージョンポイントの把握が、このマネージャーに与えられる役割です。
また、マーケティングオートメーションを導入している場合には、プラットフォームを使用して作成できるユーザー管理も行います。

PPCと広告マネージャー

広告とPPC(クリック単価)の管理にもマネージャーが必要です。
一貫したキーワード調査を実施し、広告の配置がROIにどのように影響するか、場合によってはチームを編成して分析にあたります。
広告マネージャーは有料広告をすべて担当するため、ソーシャルメディア分野の広告も管轄に入る場合もあるでしょう。

マーケティングオートメーションマネージャー

この担当者は、電子メールの展開、リードスコアリングの実装とルール作成、トラッキング管理など、マーケティングオートメーションにおけるプラットフォーム部分を担当します。
マネージャーは、プログラムを作成してリードを確保することで、インバウンドの取り組みを支援し、その拡大に貢献します。

 


 

インバウンド・マーケティングの重要性、その新しいカタチと求められる人材について、概観しました。
次回以降、それぞれの施策について詳しくみていきましょう。

 

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