1. HOME
  2. ブログ
  3. ビジネス
  4. ソフトウェア開発に学ぶスマートなワークフロー アジャイル型セールスとは?

BLOG

ブログ

ビジネス

ソフトウェア開発に学ぶスマートなワークフロー アジャイル型セールスとは?

 

近年、アメリカを中心に、ソフトウェア開発のある手法を営業分野に応用する流れが生まれています。

その名もアジャイル開発。

IT業界ではおなじみの手法が、どのように営業に応用されるでしょう。

 

アジャイルとは

アジャイルとは、すでに述べたようにソフトウェア開発の手法です。
その要点は「素早く」「繰り返し」「計画を重視しない」の3点にあります。

対となるモデルにウォーターフォール開発があります。
こちらは滝流れのように、一度決めた計画に厳格に沿って開発を進め、工程を前後しない、並行作業を行わないといった特徴があります。
必然として重厚長大な計画を組む必要があり、進捗管理にメリットがあるものの、決めたものの変更が難しいといったデメリットもあります。

比べて、アジャイルでは目標とする機能を分割して開発を進め、小さな計画を繰り返し試行し柔軟な対応を受け入れるという特徴があります。
業務上の特性は、以下の3方式に代表されます。

リーン方式

プロセス管理の徹底

全体最適の追及

ボトムアップ型

 

かんばん方式

ワークフローの可視化

WIP(Work in Progress)の制限

フィードバックループの実現

 

スクラム方式

優先順位をつくる

進行状況を毎日確認する

取り組みの正しさを定期的に振り返る

 

既にお気づきの方もいるでしょう。
アジャイルの源流はトヨタがその名を馳せることになった生産方式、かんばん方式にあります。
製造業における一つの最適解がITを経由して営業分野に波及しているのが興味深いですね。

 

アジャイル型セールスモデル

 

アジャイルをセールスモデルに落とし込むとはどういうことでしょう。
まずはアジャイル型セールスモデルを実行するための指針を確認しましょう。

 

ゴールの定義

主要な利害関係者を明確にする

 

ビジョンの共有

ゴール、目標値、方向性についてチームで共有する

 

協力と対話

縦割りからの脱却
協力と対話を組織に浸透させる

 

反復

改善のための反復をいとわない

 

試行と気づき

データはあくまでもデータであり、気づきを得るための分析が必要

 

改善

結果に満足せず、常に改善を意識する

 

具体的な業務としての応用例には以下のようなものがあります。
スクラム方式を参考にした場合です。

 

スプリント:

アジャイルでは小分けにされた計画をスプリントと呼びます。
営業においても、顧客や外部のチームに与える影響を考慮して、状況に応じた小計画を立て、こまめに評価するといったアクションがとれます。

 

バックログの再解釈:

開発ステータスを可視化し、タスクの状態をチームの目に触れる形で共有する。
これは営業においても有用な施策の一つでしょう。

 

トレーニング:

手法をチームになじませるためにトレーニングや勉強会を開く。

 

他にも応用例は考えられるでしょう。
実のところ、アジャイル型セールスはアメリカにおける一部のIT企業で試みられている取り組みであり、日本におけるモデル適用例は少数です。
そのため、活用の幅は担当者に委ねられているのです。
重要なのは、「素早く」「繰り返し」「計画を重視しない」というアジャイルの肝を営業の生産性向上に活かすということです。

 

アジャイル型が解決する営業の課題

最もクリティカルな営業上の課題は、顧客との相互不理解です。
顧客のニーズが満たされない、そもそも顧客のニーズが分からないという状態では営業は失敗します。

時間を浪費するばかりで最適なソリューションを提供できない、そのために顧客との関係性がゆがみ、双方に悪印象が残ってしまう…

こうした問題の原因には情報共有が十分に行き届いていないということが挙げられます。
顧客側からは「担当者は状況を把握していない」と思われ、担当者は「適切なコミュニケーションが取れていない」と悩むことになります。

 

アジャイル型が活躍する局面はここにあります。
上述したスクラム方式では、こまめな情報共有や進捗状況の確認が行われ、担当者によって状況の理解にムラがあるといった事態を避けることができます。
その結果、顧客と一貫して密なコミュニケーションをとることができ、良好な関係に帰結するのです。

 

おわりに

プロセスを分割し、チーム間で分担、取り組みと反省を短いスパンで繰り返し行う―
アジャイル型セールスモデルには顧客志向の営業を可能にするヒントが詰まっています。
現行の仕組みに満足しない営業担当者にとって、研究する価値のあるモデルではないでしょうか。

 

関連記事